第2弾・フィッシャーマン・ジャパン インターンシップ大同窓会 実行員座談会

第2弾・フィッシャーマン・ジャパン インターンシップ大同窓会 実行員座談会

宮城県石巻市を拠点に活動する「一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(以下、FJ)」では、これまで約200人の学生がインターンとして活動してきました。

地域コーディネーターの松本裕也さんは、かねてからOB・OGで集まる機会を作りたいという強い想いをもっていました。その想いが、2023年9月23日「第1回フィッシャーマン・ジャパン インターンシップ大同窓会」という形で実現します。

今回の第2弾座談会は、FJから松本さん、OBの鈴木晴也さん、OGの伊勢菜砂さんの3人から、大同窓会を開催する経緯、準備や当日の様子などを中心に、お話しいただきました。

◆松本裕也/福岡県出身/宮城県石巻市在住

FJ地域コーディネーター

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◆鈴木晴也さん/福島県出身/山形県在住

2019年からFJのインターンとして活動。大学卒業後、山形県遊佐町の地域おこし協力隊として、遊佐高校地域未来留学高校魅力化プロジェクトにかかわり、現在は教育コーディネーターとして活動している。

◆伊勢菜砂さん/兵庫県出身・在住

2022年春から1年間、FJインターンとして活動。活動中は関西の大学を休学していたが、インターンをきっかけに東北が好きになり東北の大学に編入学。石巻への移住を計画中。

大同窓会は、まるでお祭り!

――初めて開催した大同窓会には、約80人のOB・OGの方が参加されたそうですね。準備や人集めはどのように行われたのですか?

松本さん:FJへインターンにきた学生は、期間中シェアハウスで生活をともにします。そこでは必ず、学生のコーディネーターを1人おくようにしているのですが、その子たちを寮母と呼ばせていました。

まずはその寮母経験者たち全員を大同窓会の実行員として声をかけました。そのまとめ役として、伊勢菜砂さんにメインで動いてもらいました。菜砂さん以外の寮母経験者たちには、自身が寮母だったときに参加していた学生や、元学生を中心に声がけをしてもらいました。

5月から企画をはじめて、事前に各世代のオンライン同窓会を開催して、そこで「大同窓会を現地でやるよ!」と宣伝しました。段階を重ねてじっくり集めましたね。

菜砂さん:私は兵庫県に帰るタイミングだったので、このまま石巻との繋がりがなくなるのは、寂しいなと思っていた時に、松本さんから「そろそろ同窓会をやりたいんだよね。帰っても手伝ってよ!」と言われて。

私もFacebookでFJのOB・OGの繋がりが何人いるのかなと調べてみたら、160人くらいいたんです。この繋がりをちゃんとみんなに感じてほしいし、こんなにOB・OGがいるのに、縦の繋がりがないのは寂しいなと思って。大同窓会を開催することで、みんなで集まって交流するいい機会になるなと思って、実行員として動きました。

晴也さん:インターンをしていた時に、プロジェクトや活動をした後、みんなでご飯を食べるのが自分の中で至福のひと時でした。最初は寮母のひとりとして、同期の人たちと飲み会をしたり、連絡を取り合っていました。大同窓会開催1か月前くらいに、石巻に行った時に準備が間に合わないかも……となっていて、そこから、本格的に手伝いました。自分から、巻き込まれにいった感じですね(笑)

松本さん:実行員はじめ、石巻市内で働いている人もけっこういたので、声をかけて手伝ってもらいましたね。色んな人の協力のもと、なんとか準備も間に合って。前夜祭もやったんですが、前日入りする子たちがシェアハウスにぞろぞろ集まってくる感じが面白かったですね。

菜砂さん:大同窓会を開催するにあたって、みんなに参加してほしい。モチベーションを高めよう!ということで、毎日ラジオ配信もしていました。前夜祭ではYouTubeのライブ配信もしましたね。人集めに関しては、念入りにやりました。

――大同窓会は、どのような内容で開催されたのでしょうか?

松本さん:東松島市の旧野蒜小学校をリノベーションした防災体験宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」を貸し切り、2日間開催しました。近況報告をしあうトークセッションや、みなさんが活動していたときから企業の今がどう変わっているのか、企業3社含めて話してもらいました。

夜はバーベキューをしながら、食べて、飲んで、遊んで。食材は、インターンで入った企業から協賛して提供いただいたものを使って料理しました。

翌日は朝ごはんを食べてから、石巻の町に繰り出して散策しました。その後、シェアハウスに集まったりして。あっという間の2日間でしたね。

家族のような安心を感じられる場所

――崎山さん:実行員として準備から参加して、大同窓会の企画が実現しましたが、今回の大同窓会は、自分自身にとってどんな価値がありましたか?

晴也さん:一緒に話したり、ご飯を食べたりする時間が幸せだなぁと思っていました。

KIBOTCHAは初めての場所だったけど、コミュニティとしては帰ってきたなという、親戚の集まりの様な落ち着く感じでした。

はじめましての人もいたけど、誰かの知り合いではあるような、家族みたいな雰囲気があって。懐かしさや人の繋がりを感じる空間ですね。普通の暮らしの中では、隣人が何をしているか分からないですよね。あの場にいくと、自分が持っている背景や人と人が繋がり合うので、価値を感じました。今の時代に大事なものが、ここにある感じがすると思いながら、ほくほくしていました。

菜砂さん:お盆とかに実家へ帰るのではなくて、石巻に帰ってくる人たちが本当に多かった。80人も集まってとっても賑やかでしたが、共通言語として、石巻での活動の記憶があります。石巻での生活をみんな愛していたので、それをひしひしと感じられる空間が楽しかったですね。自分が自分のありのままでいれる場所、ただただ幸せな場所でしかなかったです。

晴也さん:居心地の良さだけじゃなく、そこからまた何かしたくなるような。マイナスだったものがゼロになるだけじゃなくて、そこからプラスになる感覚ですね。安心・安全だけじゃなくて、何かに向かえる、生きる推進力がもらえる場所ですね。

菜砂さん:すごく分かる!こんなに石巻を好きな人がいるんだったら、もっと広めていかないといけないよね!と思いました。

――お二人にとって、石巻は第2の故郷なんですね。インターンの活動やシェアハウスなど、石巻での生活を地域コーディネーターとしてサポートしてくれた、松本さんはどんな存在ですか?

晴也さん:勝手に師匠的な存在だと思っています。でも友達のような、親戚のおじさんみたいな関係かな。石巻にいくと、松本さんからエネルギーを摂取できる感じですね!宇宙みたいな(笑) 相談をすると、経験談をもとにアドバイスをくれて、いつも元気にしてもらえる存在だなって思います。半年に1回は会いたくなる、笑顔やエネルギーを注入できる存在です!

菜砂さん:松本さんは一人しかいないけど、全員をちゃんと受け入れてくれる人ですね。

この人は最後まで見捨てない人だなって感じます。 松本さんからひろがる繋がりや出会いが大きいなと思いますね。石巻という場所も松本さんのおかげで、自分はここに帰ってきてもいいんだと思えるし、最後まで付き合い続けてくれる人です。私の秘密を全て知っているので……(笑)。父であり友でありって感じです。

松本さん:スタンスとして、誰一人として排除しないっていうのは意識的に行っています。何歳になっても友達っぽくいたいし、いつまでもそんな感じでいられたらと思っています。

個人的なスタンスではありますけど、どんな人でも来られる場所であり続けたいですね。

晴也さん:2019年に石巻にいったときに体感したことで、やりたいことってやっぱりこれだ!!と思いました。一緒に暮らしながらプロジェクトをまわしたり、暮らしから学べることや感じることができて、いろんな発見ができましたね。

あとは、石巻には松本さんがいるから、僕は他の場所でそういうことができたら楽しいなって。自分で新しい地域を開拓してやってみようと思ったので、今は実際に遊佐町(山形県)で活動をしています。

菜砂さん:松本さんに影響を受けている人や、人生が大きく変わったという人もいっぱいいると思いますよ。誰も見捨てないという松本さんのスタンス、私はもともと石巻にくるまで、そういう考えはなかったんです。でも松本さんから影響を受けて、そういう居場所づくりを今後やっていきたいなと思っている最中です。最終的には石巻に帰ってきたいなって思っています。

――松本さんへお聞きします!大同窓会、今後も開催していく予定はありますか?

松本さん:やっていきたいなと思っています。特別なものだからこそ良いと思うので、ちょっと間をあけながら開催したいですね。今後OB・OGもどんどん増えていくと思うので、活動していない世代がでないように、古い世代との関係が途切れないような工夫は引き続きやり続けたいなと思っています。

2023年9月23日開催「フィッシャーマン・ジャパン インターンシップ大同窓会」

とりあえず、一度東北へ来てみて

最後に、OB・OGとしてこれから東北に関わりたいと思っている学生のみなさんへメッセージをお願いします。

菜砂さん:留学とか、東北以外の選択肢も素敵な経験ができると思います。震災があったからというのもあると思うけど、東北の活動は、このチャレコミもそうだし、みんな力が入っている。東北はどこよりも長く、強く繋がっていける場所になっているから、1回行くだけじゃ終わらない場所だと思っています。なので、まずは一度行ってみてほしいです!

晴也さん:最初に、インターンで行った福島県に関わりはじめようと思ったきっかけも、地元だったけど全然知らない。まず知りたいなという思いがありました。何かがありそうという予感があるのであれば、それだけでいいので一度行ってみてほしいなと思います。

その時に、この人おもしろい!この場所、居心地いいな。という心が反応するような場所を探してほしいです。それと出会ってしまったら、あとはひたすら何かが始まり続けるような感じになると思います。東北はそういうパワーがあるんですよね。東北だったら、探していれば自然と繋がっていくし、定期的に帰れる場所になると思います。

八田さん:今回、話しを聞かせてもらったのは、インターンや何かで、東北や石巻に関わってよかったなという話だけにとどまりたくなかったからでした。その後も関わりが続いている関係性こそ、東北の価値だと思っているので、そのストーリーがこの記事を通して、これから東北を考える人たちへ伝わってくれたらいいなと思います。

逆に大人側にも、来てもらって助かった、ありがとうだけじゃない、この価値こそが地域側がもらえる価値だというところに繋がっていくといいなって思いますね。今回はそういった話を、ありのままに聞けたので良かったです。ありがとうございました。

最後までご覧いただきありがとうございました。東北チャレンジコミュニティは新たな仲間を随時募集しています。

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